スズメ 1の制作過程

以前から作りたいと思っていたスズメの制作に取りかかりました。
スズメは最も身近な見慣れた鳥で誰でも知っている鳥なので、ごまかしは利かないので難しさがあります。
どうしても毛繕いをしているところを作りたかったので私にとって最も難しい制作に挑戦することになりました。
一つは翼の裏側から羽を毛繕いする姿を作ることです。
もう一つは尾羽の毛繕いをしているところです
手本となるバーカービング、また写真もなく細かなところがわからなくてスズメの観察することに2年もかかってしまいました。
制作の構想に長いことかかりましたが今年の2月中頃より簡単な上方面、側方面、前方面の図面を作り
あまっていたチュペロの木をのこぎりで切りだしました。
      

始めは単に木の固まりでしかありません。
普通は失敗しないためにもモデリングコンパウンドで造形習作をしてその上で
図面を修正した後に木を削り出すところを、
それらをせずにいきなり普通ののこぎりで切りました。
いきなり削るのは狂気の沙汰といえるかもしれません。
モデリングパウンドで造形してから作った方がよいと思いますが
あえていきなり削りました。
      

主になる胴体と右翼そして第2風切り羽を別々に作りました。
ルーターで少しずつ削り次第に形ができてきます。
胴体と右翼そして第2風切り羽を平行して作りました。
第2風切り羽は後でクチバシと翼に合わせて作ります。
       
ルーターで少しづつ削り翼と部分はバーニングツールで焼いて毛を一本一本丁寧に筋を入れていきます。
胴体はルーターにホワイトストーンビットを付けて削ります。
少し強調したいところをさらに削った上からバーニングツールで焼いて筋を入れます。
      
首の部分はルーターに小型ノコギリを付けて切り毛が立っているところを表現します。

削り終わったら目を目入れようのエポキシ樹脂で取り付けます。

胴体に翼を仮にセットして風切り羽の形を決めます。
厚紙でおよその形を切りその上に糊を付けた新聞紙を付けて風切り羽の曲線を
付けます。乾くと固くなります。
この型と同じものを木片から切り出して作ります。
風切り羽がほぼできたところ。
螺旋にカーブしています。

足を作る前にスズメの止まり木を作ります。
最初に足を作ってからそれに合う止まり木を作るよりも止まり木を作って台に取り付けてから
足を作る方が正確に出来るからです。
だから最初に台と止まり木を作ってから鳥を作る方がよりリアルなものが出来ます。
      

珊瑚樹の葉・つぼみも

台はケヤキの円形台を作り止まり木は珊瑚樹の小枝にしました。
珊瑚樹は針金の芯にエポキシ樹脂を付けて造形しました。
葉は樹脂粘土を使ってみました。
細かなところまで忠実に表現しました。
台に取り付けたところで仮に足の型をとる針金を用意して止まり木に合わせてから、
ふしょ、足指の角度を決めて作ります。 
( 仮の足)

仮の足に合わせて
ふしょの部分はピアノ線で作り、足の部分は真鍮線で作ります。
足をふしょのピアノ線に半田付けをして、その後エポキシ樹脂で肉付けをして乾いてから
ルーターで余分なところを削り落とします。
  足が出来たところ
注意点 後指(第1指)の関節は無く内指(第2指)は1つ中指(第3指)は2つ外指(第4指)
は3つであることを参考にして作りました。
まだまだリアルさに欠け別な方法も検討する必要がありそうです。
足を胴体に取り付けます。
慎重に何度か止まり木に合わせてみて正確に取り付けます。
少し左足に体重を乗せて右足は少し立てた感じで外に少し開きます。
足をエポキシ樹脂で胴体に付けたところ。
    

この後着色しますが最初に全体にジェッソを薄く塗ります。

     

着色は筆・ステンシル用のスポンジ筆・などを使います。
ステンシル用のスポンジ筆は柔らかさやふんわりした仕上がりにするためによく使いなります。
絵の具を付けて軽くたたいて絵の具を乗せます。
この時凹の面には絵の具はつかず凸の部分だけに絵の具が付きます。
特に羽の縁などに塗ったりするのに向いています。
また塗り方によってはエアーブラシを使ったような効果もでます。
付けすぎたら濡らした布で余分を拭き取ります。
また、ごく薄く溶いた絵の具を塗るグラッシュの技法も色の落ち着きや深みを出すために使います。
下に塗っている色を計算して塗らないと失敗してしまいます。
色を重ねるほどリアルになり深みも出ますが塗りすぎるとせっかく削った
1本1本の溝がつぶれて消えてしまうので注意をする必要があります。
絵の具の重ねる回数は私の場合3回から5回ぐらいです。
着色が終わったところ。

止まり木に接着剤でくっつけて出来上がりです。
    
翼の裏側の風切り羽の毛繕いと言う難しいものに挑戦して
完璧なものは作れませんでしたがまた懲りずに尾羽の毛繕いをしてるところに取りかかっています。
出来映えはどうか?こうご期待…
今回スズメを作ってみて意外と難しいことがわかりました。
釣りのことわざ『ふなに始まりふなで終わる』のように
『スズメで始まりスズメで終わる』にしたいと今回作ってみて思わされることになりました。

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